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「Suara LIVE 2010 〜歌始め〜(2日目)」 レポート 2010.02.19


 昨日の興奮が冷めやらぬShibuya O-EAST。『Suara LIVE 2010 〜歌始め〜』 第2日目である1月3日も、1階スタンディング・フロアは満席状態となっている。2日連続で参加している方もいらっしゃるようで、オーディエンスの皆さんはライブ開始前からSuaraさんはどんな歌を届けてくれるのか、楽しみでならない様子である。 
 SEが流れ会場が暗転。Suaraさんを始め、バンドメンバーが定位置に着き、演奏が開始されると同時に会場の声援も一気に上昇。1曲目は昨日と同じく、OVA 『うたわれるもの』 のオープニング 「adamant faith」 である。そのまま流れるように続くのはOVA 『ToHeart2』 のオープニング 「一番星」 だ。そして最新シングル 「赤い糸」 に躍動の流れは引き継がれ、バンドサウンドと密になった圧倒感で歌い切った。

 「皆さん明けましておめでとうございまーす!2010年明けましたよ。本当に皆さん良い笑顔ですね。いつもワンマンでいつも駄目だと思っているんですがステージに出て皆さんの顔をみて本当に泣きそうになるんですよ。良い笑顔で見守ってくれてありがとうございます。改めて2日目、ようこそおいでくださいました!正月のライブ、しかも2Daysということで、私、未知の領域に突入しています(笑)。これからどうなるのかと思いますが、皆さんの笑顔のパワーがあれば大丈夫だと思います。例の某ドリンクも飲んでいますし(笑)。二日目ですが、さらに心を込めて歌を届け、燃え尽きようと思っています!!」 と、本日初のMCも快調なSuaraさん。そして話題はエンディングで 「赤い糸」  が使われていた、アニメ 『WHITE ALBUM』 の第2シーズンについてへ。
 展開が面白く、先が気になるところで 「赤い糸」 のイントロ、ギターの音色が聞こえてくるところが 「我ながら、いいな」 と思っていたというSuaraさん。次の楽曲も作品繋がりであることを告げ、「舞い落ちる雪のように」 が始まる。「蕾-blue dreams-」、そして懐かしいファーストアルバムから 「pray」 とミディアムな楽曲が続く。Suaraさんの表情も輝きに溢れ、心からステージを楽しんでいるかのような、柔らかな笑みがこぼれる。



 ここでMCタイムとなるが、昨日同様、お正月ならではのコーナーだ。 「皆さん、もう初詣は行かれましたか?お正月らしい事ということで、何かしたいと思って色々考えたんです。賽銭箱を置いて、皆さんからお賽銭入れてもらうとか(笑)、お年玉を配るとか。その結果、今回はおみくじにしてみました。私は…今日は見てないんですが…(右側のポケットからくじを取り出して開くSuaraさん)、あれっ!?、真っ白!もぅ、絶対マネージャーの仕業!やられたー(笑)。」 と、予期せぬプチ・ハプニングに会場も笑いに包まれる。Suaraさんの衣装には左右両方にポケットがあり、予めマネージャー氏が空クジを仕込んでいた模様。もう一方には本来のおみくじが入っていたようで、そちらは “中吉” という結果であったようだ。そしてステージはアコースティック・セッションへと流れていく。

 「夢幻の丘」「春夏秋冬」 と昨日と同じ流れであったが、ここで 「星座」 がアコースティックアレンジで登場。連日参加のオーディエンスの皆さんも喜こぶ演出だったに違いない。続く 「太陽と月」 まで、流れる小川のような、しっとりとした潤いに満ちたサウンドに、会場全体が身を委ねているかのように、癒しの空間が広がっていく。

 「アコースティックバージョンで聴いていただきました。お正月で休みということもありますが、皆さん、どちらからおいでになりましたか?」 と恒例となった、Suaraさんの地方別出欠確認。関東、中部、近畿地方と分けながら挙手を募り、「上新庄!」 という声に、上新庄のライブバーで活動していたことなども披露するSuaraさん。
 「皆さんお住まいのところにも行けるようになりたいと思うので、首を長くして待っていてくださいね。そして次回のライブは日本を飛び越えて、香港でのワンマンライブが決まりました!本当にビックリして。以前から東南アジアの各国からメッセージは頂いていたのですが、こんなに早く海外公演が実現するとは思わなかったので、本当に楽しみです。1日目のプレゼントの中に、本らしき包みがあって。なんだろうと思ったら 『地球の歩き方・香港』 ってガイドブックが入っていました。良いセンスだなぁって脱帽しました(笑)。初めての場所ですごく緊張していますが、頑張っていこうと思います。」
 本日も観客席から香港ライブへの参加表明の声が上がり、Suaraさんも嬉しそうな表情を浮かべた。「皆さんの顔を観ていたら良い年になるような気がします。今年も頑張ります。」 と語り、続く 「星想夜曲」 のアナウンスをしてイントロがスタート。「夢想歌」 のカップリング曲であるが、根強い人気があることを会場の歓声の大きさで改めて実感する。
 そして 「花詞」「キミガタメ」 と続いていく。「キミガタメ」 も本日のセットはフルバンド・バージョンで、昨日のアコースティック・バージョンとは対照的な、“動” の熱いパッションを感じさせる、情感のこもったSuaraさんの歌声に会場全体が惹き込まれる。



 「キミガタメ」 を歌い終え、「熱い〜!」 と一言、MCを始めるSuaraさんはどこか満足そうな、優しい笑みを浮かべている。ライブ前の自分では抱えきれないほどの不安との葛藤、そしてワンマンライブの位置付けの大きさによる次へのステップを高く設定することで、自身の中の理想と実際の状況とを照らし合わせてもどかしく思うこともあると、本音をとつとつと語るSuaraさん。
 「その度に大きな壁が目の前に立ちはだかって、歌とともに人生を歩んできているんだと思いながらやっています。なかなか思うように成長できないけれど、これからも歌と真剣に向き合いながら、絶対越えられる壁だと思って、歌をライフワークとして活動していこう、と。歌と添い遂げる人生でありたいですね。今までを振り返り、歌が自分の人生に絡み合い、ここまで大きなものとなるとは正直思っていなかったんですが、やっぱり歌を通して沢山の方と出会えることができた。でも歌をやってなかったら出会えてなかった、と思うので、こんな皆さんの笑顔に出会えていつも得る喜びも計り知れなくて。」 と万感の想いを込めたSuaraさんのMCに、水を打ったように会場も静まり返り、その言葉に耳を傾けている。
 語り終わり、静寂が包み込んだ刹那、最新アルバム 『キズナ』 のラスト曲 「天使がみる夢」 をアカペラで歌い始めるSuaraさん。バンドサウンドがその想いを包み込むように、会場を情熱的な色彩に染め上げていく。続く 「クロール」「アオイロの空」 と爽快なSuaraさんらしいアップテンポナンバーが続き、「Free and Dream」「夢想歌」 とさらに会場のボルテージが上がってゆく。季節をひっくり返すかのような激しい熱風が吹きぬける如く、ライブハウス全体が熱く一つに融合していった。
 西海岸テイスト溢れる細やかでタイトなリズムとフレーズを決めていく、ギターの鈴木健治さんやドラムの波多江健さんをはじめとするバンドメンバー皆さんの演奏と、Suaraさんのバンドに馴染み伸び伸びとしたパフォーマンスを眺めていると、90年代音楽業界を席捲していた、王道のバンドサウンドがここに復活しているかのような錯覚に捉われた。
 郷愁に想いを馳せる間も無く、演奏は一気にラストへと駆け抜け、一旦の終焉を向かえる。Suaraさんたちはステージ袖へと引き揚げていった。



 アンコールがSuaraコールに変わり、ステージ上にメンバーが揃いアンコール一曲目 「明日へ-空色の手紙-」 がはじまる。バンド全員でツアーTシャツへ衣替え。Suaraさんはスカル柄をあしらったスカートを翻し、軽快にステージを駆け抜ける。続いての楽曲は定番の 「トモシビ」 だ。サビの大合唱も、会場全体を優しい気持ちに包み込んでくれるかのようだ。
 「本当にありがとうございます。Suaraコールも(笑)。ライブ始まる前までは私駄目人間やねん!っていうネガティブな面もあったんですが、人の笑顔や声援がこんなにパワーになるんだって、今回のライブですごく実感しました。本当に人の力ってすごいなって、皆さんからパワーをもらってこの二日間ステージで歌うことができました。本当にありがとうございました。」 とアンコール明け初のMCで感謝の意を述べるSuaraさん。

 「最新アルバムのテーマが “キズナ” でしたが、アルバムだけのテーマではなく、“キズナ” というのは日々の生活の中でテーマとしてずっと続いているんだなぁ、と今回のライブを通して改めて気付きました。応援してくださってる皆さんとの “キズナ”、両親とおばあちゃんとの “キズナ” …。遠くに住んでいる家族には、なかなかライブまで来て貰うことができないんですが、今回本当に心配して寡黙なお父さんがメールをくれたんです。『小さい頃から色々な壁を越えてきたやないか、今回も絶対成功するから』 って、すごい長文なんです(笑)。向こうはパソコンで、こっちは携帯なんですが、4回に分けてその1、その2、みたいなね(笑)。そんなこと初めてだったのですごく家族との “キズナ” に気付く出来事でした。
 大人になって環境が変わると、出会いも増えて、会いたい人にすぐに会えない状況になってしまいますよね。でも、それぞれ自分達の場所でがんばっていて、また会えるときにはお互いにがんばっていたよね、って報告しあえたら素敵だなと思います。今年も皆さんに会う機会がたくさんあるようにと祈っています。それでは最後、感謝の気持ちを込めてこの曲を歌います。 『また会えるその日まで』 。」
とアンコール・ラスト曲をアナウンスし、演奏が始まる。まるで春がやってきたかのような和やかな空気に包まれるライブハウス。このまま留まりたい気持ちとは裏腹に、どんどんラストが近付いてゆく。
 伴奏の間にSuaraさんの口が開く。「本当に本当にありがとうございました!これからも頑張っていきたいと思います。」 という言葉に続いてメンバーを紹介。最後には 「そして皆のことが大好きなSuaraでした!また会えるその日まで!!」 と続け、会場からは本日一番の温かい歓声が届いた。前日は “みんなのSuaraでした” と言っていたポイントが僅かに変化していたところもSuaraさんの優しさが感じられた。



 終始、吹っ切れたような、明るい微笑みを湛えてステージを楽しんでいたSuaraさん。これまでも、もちろんそうした表情がなかったわけではないが、ライブを成功させる、という心持ちで多少力んでいたところも感じたのは事実だ。この日のナチュラルなパフォーマンスは、オーディエンスの皆さんにとっても特別に映るものではなかっただろうか。
 「本当にステージから見えるお客さんの笑顔に救われた」 と、高揚した表情でライブ後、改めて感想を語ってくれたSuaraさん。オーディエンスの皆さんとステージを挟んで、まるで “映し鏡” のようにお互いの気持ちがリンクしたからこそ、“笑顔” もそうした作用の中で生み出されたものなのだろう。次なる香港のステージを踏んでSuaraさんはどのように飛躍してゆくのか、非常に楽しみだ。

レポート:岩井 喬


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